ソフトバンクショップ・リアルストーリー(第1回)


ソフトバンククルーとして店舗で働くと、地域の多くのお客さまと様々な出会いがあります。
ソフトバンククルーから寄せられたリアルなエピソード、ご紹介します。
第1回 家宝になった携帯電話 山本翠(仮名・27歳)
- まだ私が新人だったころの話です。
- ある雨の日の夕暮れ時、ひとりのおじいさんがしょんぼりした様子でお店に入ってきました。
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- 「どうかされましたか?」
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- と声をかけてみると、おじいさんは声を絞り出すように言いました。
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- 「妻との思い出が消えてしまったんです…」
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- 奥様に先立たれたあと、携帯電話に保存していた亡くなった奥様との思い出の写真を毎日眺めて過ごされていたところ、その写真が急に見られなくなってしまった…と涙を浮かべながら語ってくださいました。


- データのバックアップはお客さま個人で行っていただくものですので、消えてしまったデータの復元は通常お店では対応できません。
- それでも、困っているおじいさんのために何かできないかと思い、店長や先輩たちに相談。携帯電話メーカーに連絡して保存フォルダを確認したり、近所の復元業者を調べたりと、スタッフ全員でバタバタと大騒ぎ。


- そんな中、ある先輩がボソッと一言。
- 「本体とSDカード、どっちを見てる?」
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- あわてて確認してみると、携帯電話本体に保存してある写真を表示していました。SDカードに切り替えてみると、やさしい笑みを浮かべた奥様のお顔が携帯電話の画面に表示されました。


- 「あ!写真がありました!」
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- おぉ! 周りにいらっしゃったお客さまからも歓声と拍手が。
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- おじいさんは涙を浮かべながら、「ありがとう、本当にありがとう」と何度も何度もお礼をおっしゃいます。
- 私たちも、おじいさんの何とも嬉しそうな様子に、ほっこりした気持ちになりました。


- その日以来、おじいさんは何度もご来店くださり、その度にお礼を言って帰られます。
- 時には、かわいいお孫さんと一緒にいらっしゃることも。
- 写真は、ちゃんとパソコンにも保存したそうです。
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- ―― そして、実はこの話には後日談があります。
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- 数週間経ったある日、見覚えのある女性が私あてに訪ねてきました。おじいさんの娘さんです。
- おじいさんが天寿を全うされたそうで、私にもお葬式に来てほしいとのことでした。
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- ご家族によると、おじいさんは「あのときの対応にとても感動している、感謝している」とつねづねお話されていたそうです。
- そして、あのときの携帯電話は、家宝のように大切に仏壇に飾られているとのことでした。
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- 第1話 完


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